ブログ名変えます

現役医師が暮らしを豊かにする知識やモノを紹介します。医者や医療の実情も時々語ります。

風邪を予防する方法まとめ〜マスクや手洗い、うがい、ビタミン、筋トレ...本当に効果的もの教えます

寒い季節が続きますね。

あらゆる人を悩ませる風邪。

 

きちんとした予防法を知って風邪と戦いましょう。

 

効果が確実にあるとされている予防法たち

手洗いが最も大切

昔から定番、やはり手洗いが一番。

シンプルイズザベスト。王道の方法です。

 

ちなみに推奨されているのは15秒〜30秒の手洗いです。

実際自分のをカウントしてみてください。多分5秒もないくらいの人がほとんどです。

 

爪の中や指と指の間までしっかりやりましょうと昔からよく言われてきたと思いますが、やはり正しい方法なんですね。

 

アルコール消毒でもOKです

いつでも手洗いできる環境にないことも事実ですからアルコール除菌というのも有効な方法です。

 

ピュレル ゴージョー IHS-N 350ml [指定医薬部外品]

ピュレル ゴージョー IHS-N 350ml [指定医薬部外品]

 

 

これは病院でも使われているものと一緒です。

60mlの小さいものもあるのでバッグなどに入れておくのもありですね。

 

上記のものはやや高いので、こちらでも十分かと。

 

手ピカジェル [指定医薬部外品] 300ml

手ピカジェル [指定医薬部外品] 300ml

 

 

家では手洗いすればよいので、小さいサイズを買って持ち運ぶのがやはりいい使い方かな。

何回も手洗いすると肌荒れするからやだ!という人にもオススメです。

 

ちなみにノロウイルスの予防にも!とかAmazonのレビュー含め言っている人がいますがそれは無理です。

ノロウイルスにはアルコールは効きませんので。

マウスのノロウイルスにはアルコールが効くやら、より酸性にしたらよく効くやらの話もありますが、普通にアルコール消毒するだけでは死なないですので、手洗いして下さい。

手洗いはノロウイルス予防にも効果があります。

 

ノロウイルスに効かなくてもアルコール消毒は非常に有用です。

サッと出来るのが何よりのメリットですからこまめにやりましょう。

 

うがいも効果あり

うがいもよく言われている通り効果があると証明されています。

ランダム化比較試験という、適正な方法での研究で水でのうがいが何もしないより風邪を減らすというデータがあります。

この研究も完璧な研究ではないのですが、現在存在する研究の中では一番質の高い研究でしょう。

 

うがい薬は使うべきではない

上記の試験で、うがい薬を使った群は何もしない群と風邪を引く割合が一緒でした。

つまりうがい薬を使ってうがいをすると、何の意味もなくなるということです。

 

ポピドンヨードのうがい薬とか小さい頃使ってたなぁ。

これは知っている人も多いと思いますが、うがい薬を使うと常在菌も死ぬので、風邪引く確率はうがいしないのと同じになります。

 

水でうがいしましょう。

 

ちなみにカテキンでうがいすると〜とか、この水でやれば〜とかいう胡散臭い話もありますが、いちいち全部に実験してられないので効果は不明です。

高いお金払って余計な手間もかけるより、水道水で十分だと思いますよ。 

 

効果があるかはっきりしないものたち

マスクは実は予防には効果がない

意外だと思った方も多かったのではないかな。

 

マスクは元気な人がつけるものではありません

健康な人がマスクする予防効果は証明されていません。

実は日本での病院関係者を対象としたランダム化比較試験があります。

マスクをした人、していない人で行われた実験では両者に違いはありませんでした。

むしろマスクをつけさせられた人は頭痛の発生率が統計的に有意に高いという結果に。

 

私はアメリカでの病院で研修したことがあるのですが、日本の医者とのマスク着用率が違いすぎてびっくりしました。

アメリカの医者は全然マスクしてません。

「アメリカではマスクしている人が少ないね」と聞いてみたら、「病気でもないのにつける意味ないだろ? 風邪引いてると思われるぞ?」と返ってきました。

...その通りでございます。

 

日本の医者の多くは手洗いを全然しないくせにマスクの着用率はやたら高い。

マスクとかどうでもいいから患者さんを診察した後くらいはちゃんと手洗いする方がよくないかな...といつも思っています。

というわけで、これを読んでる医学生や医者がいたらちゃんと手洗いするようにして下さいね。

 

個人的には研修医や学生の頃に外科や麻酔科を回っていた時、

手術室にずっといてマスクを付けっ放しだったせいで、かなり肌荒れしたのが嫌な思い出です。

 

風邪を引いている人はマスクしてください

自分が予防のためにつける必要はないですが、風邪を引いてるのに外出するならマスクしましょう。

電車とかで口も抑えずくしゃみするおじさんとかいますが、もはやテロリストですからね彼ら達は。

 

風邪の原因は飛沫感染するウイルスですから、普通に感染源になります。

 

せめてティッシュで抑えたり、肘のあたりで抑えて下さいね。

手のひらで抑えると色んなところをペタペタ触ることになるので、あんまり意味ないです。

20181227231016

 

定期的に運動するのは風邪を減らせる?

当ブログでもオススメする筋トレ。

筋トレは万能!全てを良い方向に進ませる!という脳筋理論を展開したい気持ちもあるのですが、風邪予防に関しては明確なエビデンス(証拠)はないようです。

 

睡眠をしっかり取る、というのはどうなのか

風邪を引かないようによく休みなさい、とは一般的によく言われています。

7時間以上眠る人に比べて、5時間未満しか眠らない人は3倍ライノウイルスによる風邪を引きやすい、という研究もあります。

ライノウイルスは風邪を起こすウイルスの一種です。

他にもウイルスはたくさんあるので、その他についても同様なのかははっきりしていません。

 

まあしかし実体験としてもやはりよく眠る方が引きにくい印象はありますね。

これに関しては予防のためにしっかり寝よう!という人もそういないと思いますから、引いたらしっかり休もうくらいの気持ちでいいんじゃないかな。

 

亜鉛を摂るというのも何とも言えない

子どもを対象にした研究で亜鉛を最低5ヶ月以上内服した場合は風邪を減らすというものもあるのですが、大人ではデータがありません。

治療に使うと症状を和らげるというデータもありますが、嗅覚障害や吐き気などの副作用もあり、推奨はされていません。

 

亜鉛に関しては副作用のリスクを越えてまで内服するメリットはないです。

 

ビタミンCなどのビタミン類は?

理由はよく分かっていませんが、ビタミンCはマラソンランナーやスキープレーヤー、北極近くの兵士などの過酷な環境に身を置く人には効果があるかも、とされています。

何だそりゃって感じですね。

一般人にとって予防効果があるという根拠はありませんから、スルーで良いでしょう。

 

ビタミンDやビタミンEにおいても予防効果ははっきりと示されてはいません。

 

まとめ

結局手洗いが最強です。

手洗い、水でのうがいをしっかりして下さい。

手洗いがめんどくさい、やりすぎると手荒れするという場合はアルコール消毒も使っていきましょう。

 

そのほかのビタミンやら健康食品などについては効果があるデータがありませんので、そんなところに余計なお金を使うよりも美味しいもの食べたらいいと思います。

しっかり手洗いうがいをして、元気に年を越しましょう。