無料でもらえる、タダで使える、お金がかからないのは本当に得なの?
巷に溢れる無料、タダ。
ついつい飛びついてしまう言葉ですが、本当に自分にとって得なのかよく考えましょうというお話。
人間は無料にどうしてもつられてしまう生き物
無料、と聞くと欲しくなった/使いたくなったという経験が誰しもあるはず。
誰しも損をしたくないからタダが大好き
人の感情は、損をすることに非常に敏感です。
お金を払って、その対価として得られるものに満足行かないと損をしたことが明確になります。
あぁあれ1万もしたのにな...みたいにね。
無料でモノを買ったり、サービスを受ければ、例えそれが満足いくものでなくても、"まあタダだったしラッキー。"という思考が可能になります。
タダであることが防御線になるんですね。
ですから、タダと1円では大きな差があります。
1円でも支払ってしまえば、金銭という分かりやすい指標で損をしてしまうことになりますから。
その無料、本当にお得なの?
無料といわれて飛びつきまくっていると損をします。
ですが、多くの人はそれに気づいていません。
お金がかからないから損をしない、は間違い
タダだから損をしていないと思ったら大間違いです。
いらない物やサービスを受けることは実際には損をしていますから、そのことに気づいていない人はぜひ気づいてください。
まず時間という点で、大抵は損をしている
例えばアイスクリーム無料キャンペーンを例にしましょう。
有名アイスクリーム店がたまにしていて、行列を作っていますね。
アイスクリームをどうせ食べに行こうと思っていた、大のアイスフリークである場合などはどうぞ行ってください。
しかし対して好きでもないのに、無料だからという理由で並んでいる人も結構います。
...並ぶ時間もったいなくありませんか?
しかももともと欲しい人でも1時間とか待つのってどうなの?と思いますね。
1時間あればバイトしたら1000円くらい稼げるしもったいないな、アイスもらうよりは彼氏と家でゆっくりしたいな、などなど人によって思うところは色々あるでしょう。
あなたが1時間で出来ることと天秤にかけて、並ぶようにしてください。
時間は誰にとっても等しく有限ですから。
手に入れる時に時間を消費しなくても、手に入れた後でも時間は消費されます。
いらないものをもらってそれを捨てなきゃいけない、さほど読みたくないものを読まされる、対して受けたくもないマッサージを受ける、などなど。
いずれも無駄に時間を浪費します。
どんな物/サービスでもある程度時間は消費されます。
それだけの時間を使って得られる価値があるか?ということを考えるようにしましょう。
労力という点でも損をしている
お金とも似ていますが、労力も消費します。
必要ないものに囲まれると思考も消耗します。
それを取り払うのにも労力がかかります。
無料で作ったいらないクレジットカードを解約するのも手間、いらない大きなぬいぐるみを捨てるのも手間。
自分にとって不要なものは最初からシャットアウトする方が楽です。
"実質無料"に踊らされないように
実質無料という、何とも言えない絶妙な言葉。
普通にお金を支払っているのですが、これも騙される人の多いトリックです。
店内商品を4点買うとそのうち1点が無料になりますよ!
みたいなやつです。
けれどもあなたには2個しか欲しいものがない。
ここで"タダ"を手に入れるためにいらないものを追加購入する人がいます。
「やったーこれで1点分タダだ!」 こういう思考になってしまう。
2個しか欲しくないのに3個分のお金を払い、2個不要な物を手に入れています。
お金も時間も労力も消費していますね。
不要なものにお金や時間を投入している時点で、合理的に考えればあり得ない選択です。
しかしいざお店でこう提示されるとあと一個買おう...という思考になる人は多い。
無料には魔力があるのでね。
自分が本当に欲しいものを手に入れるのが目的なことを忘れないように。
この辺りのお話はこちらの本で大変分かりやすく解説されています。
昨年読んだ中でもベスト5に入る一冊でした。
無料だからという言葉
今回一番言いたいことはこれです。
無料だからという言葉が最初に頭に浮かんだ時点で、そのモノ/サービスは本来あなたにとって対して重要ではありません。
こちらのセールの記事にも似たようなことを書いています。
お金が最大の関心になっていて、そのモノ/サービスへの関心が強くない時点で、なくても構わないものということなんです。
"あれ欲しい!しかも無料なら最高"みたいな思考なら良いんですけどね。
無料だしとりあえず、みたいな選び方をしていると時間も労力も無駄にしますよ。
目先のお金という尺度に騙されないように。
本当にあなたが欲しいものを手に入れ、やりたいことをしてください。
無料と有料では他人に与える印象も大きく変わってくる
少し本題とは逸れますが、無料と関わるお話です。
0円と1円では価格差以上に非常に大きな違いがあります。
タダのものが1円になった瞬間に意味合いが変わります。
例えばあなたがコートが欲しいとしましょう。
背丈が同じくらいのそこそこお洒落な友人が、「コート欲しいんだってね。このコートもう着ないんだけどいる?」
こう聞いてきました。
続けて彼はこう言います。
A.「もともと3万くらいするけど、1000円で譲るよ!」
B.「もうどうせ着ないしタダで譲るけどどう?」
AとBで与える印象は大きく変わります。
もともと3万という額からすれば、1000円でも破格です。
でも仲のいい友人にAの言葉を言われたと想像してみてください。
"えっ、お金取るのかよ"って思いませんか?
合理的に考えると、そんな破格で譲ってもらえるのに文句を言うのは筋違いですよね。
しかし実際にはお金を取られることに違和感を感じる人は多いはずです。
人間はそんなに合理的な生き物ではないのです。
有料になった瞬間に感情のやり取りは消失する
無料から有料になってしまうことで、友情や愛情でのプレゼントがお金を使った取引に変わってしまうんですね。
お金が絡んだ瞬間にプレゼントの温かみが消失してしまいます。
クリスマスプレゼントで現金をもらったら幻滅するでしょう?
プレゼントを渡したあと、これ3万もしたんだよね、とか言ってくる人も何だこいつってなりますよね。
金銭を匂わせることで、感情のやり取りが途端にただの取引になってしまう好例です。
モノや行動でのプレゼントと言うものは本来、感謝や愛情を表した、いわば気持ちの交換です。
しかしお金が絡んだ瞬間にただの金銭取引になります。
不思議なものでお金はダメですが、モノならこの気持ちのやり取りは邪魔されないということが分かっています。
何か贈り物をするシチュエーションでは、やはりモノや行動で表すべきということです。
感謝や愛情の気持ちを贈りたい時に、お金を臭わせてはいけません。
現金を渡す、とかプレゼントの値段をいちいち伝えるなどするのは得策ではありません。
まとめ
もちろん無料であることで敷居が下がったり、より満足度が上がったりとメリットもあります。
無料だから全てダメというわけではありません。
結局、自分が本当に欲しいものや、やりたいことを大事にすることが一番ということでした。