ブルーライトカットのメガネは本当に効果があるのか?スマホやパソコンにはブルーライトが多いと言われているけど...
最近メガネを新調しました。
どこのメガネ屋でもブルーライトカットのオプションありますよね。
なんならブルーライトカットのためだけのメガネも売ってます。
なんとなく流されて効果があるもんなのかなと思っている方も多いと思いますが、それホントなんか?というのが今回のテーマ。
- ブルーライトってなんぞや
- ブルーライトカットレンズは眼の疲労軽減、眼の病気予防、睡眠リズムの改善には効果ありません
- ブルーライトが睡眠の質と関わりがあるのは事実
- メガネ屋さんの広告を見てみるとブルーライトカットは良いぞと勧めていますが?
- ブルーライトカットレンズに変えるより大事なこと
- まとめ
ブルーライトってなんぞや
波長が380〜530nmの青色の光のことです。
私たちの目が認識できるのは400〜780nmくらいの波長の光なので、ブルーライトはだいたい目に見えます。
それより波長が短くなると紫外線になります。こちらは目に見えませんね。
パソコンやスマホからのブルーライトで騒がれていますが、ブルーライトは太陽の光にもたくさん入っています。
ここを勘違いすると以降の話が訳わからなくなりますので、ご注意。
ブルーライトが目の疲労に繋がる、目の病気を引き起こす、睡眠リズムを狂わせるなどと言われていますね。
ほんとか?
ブルーライトカットレンズは眼の疲労軽減、眼の病気予防、睡眠リズムの改善には効果ありません
2017年に発表されたシステマティックレビューで、
"a lack of high quality evidence to support using BB [Blue Blocking] spectacle lenses for the general population to improve visual performance or sleep quality, alleviate eye fatigue or conserve macular health"
と明文化されています。
「ブルーライトカットレンズは、眼の見え方や睡眠の質を高めたり、眼の疲れを和らげたり、黄斑という眼の一部の健康を守るのに役立つ、という十分な証拠がありません。」
ということです。
システマティックレビューでこういう結論が出ている以上、ブルーライトカットレンズが効果ある!と言って売りつけるのはもはや詐欺だと思うんですけどね。
テレビとか広告の力って恐ろしいなぁ。
アメリカ眼科学会がブルーライトカットしても意味ないよ、と言ってくれてるんですよ。
ブルーライトが睡眠の質と関わりがあるのは事実
ブルーライトは確かに睡眠リズムに影響を与えます。
ブルーライトの波長の光が人間の睡眠リズムに関係しているメラトニンというホルモンを抑えるので。
ブルーライトは睡眠に悪い、というのはホント?
ホントでもあり、嘘でもあります。
ブルーライトって悪者ではないんですよ。
朝起きたら陽の光を浴びましょうって言いますよね?
ブルーライトが目に入ってくるからメラトニンの分泌が抑えられて起きれるんですよ。
日中はブルーライトが眼に入ってくるのが人間にとっては普通なんです。
起きている間ずっと真っ暗なんておかしいですよね。
日中にブルーライトカットしてどうするのさ?
夜寝る直前までブルーライトを浴びまくるのは確かによくありません。
寝る前はブルーライトが入らないことでメラトニンが分泌されて眠くなってきますので。
正しくは寝る直前のブルーライトは睡眠に悪いが、日中のブルーライトはむしろ良いということ。
メガネは一日中付けている人も多いのに、カットするメリットばかり宣伝するのはおかしくありませんか。
昼のブルーライトをカットするのはむしろデメリットでしょ。
一日中明るい部屋にいると寝れないですが、一日中暗い部屋にいると起きれませんよ。
朝からブルーライトをカットするということは、眼にとって朝から夜までずっと部屋を暗くしているみたいなもんです。
ブルーライトカットレンズを朝からずっと付けているのはナンセンスということが分かりますね。
もちろんカット率がそこまで高くないし、太陽にはたくさん含まれてますから、一日中付けててもそれだけで眠くなったりはしないかもしれませんが。
メガネ屋さんの広告を見てみるとブルーライトカットは良いぞと勧めていますが?
メガネ屋のブルーライトカット推しは買ってもらいたいから
メガネ屋さんの広告を見ると、ブルーライトカットの推しがすごいですね。
メガネ屋としてはブルーライトカットメガネを売りたい、オプションをつけさせたいですから、当然です。
こういうホームページではよく〇〇医が登場する
例えばメガネ〇舗のホームページでは眼科医も登場してます。
こういう広告でよく、〇〇医がお勧めします、とか医師の名前と肩書きを使って広告してますが、そんなん誰でも言えますよって感じのこと多くないですか?
一般の方向けに分かりやすく専門知識をお伝えしていただくのは素晴らしいことですが、広告のためのネームバリューとして医師が使われているのは何とも言えない気分になりますね。
医師が言ってることが全て正しいわけじゃないですよ。
私が医師なのでよく感じますが、自分の家族には絶対行かせたくない病院とかゴロゴロしてます。
ネットで情報が簡単に手に入る時代ですが、間違った情報もたくさん溢れています。
情報の取捨選択はお気をつけて。
少し話が逸れました。
試しにメガネ屋のブルーライトカットの紹介を見てみてください。
怪しい健康食品や癌の治療法などなど、こういった広告で非常にありがちな、「〜ということが推測されています」、「〜かもしれません」という文言や、話のすり替えがホントに多い。
言い切れないのは根拠がないからです。
「肩凝りや眼精疲労の原因はブルーライトかもしれません...」などと書いていますが、ブルーライトのせいではなく、同じ姿勢でずっとディスプレイを見ているからです。
姿勢が全然変わらないから肩がこるのであってブルーライトは関係ありません。
眼精疲労はディスプレイを瞬きせずにずっと見ているからです。
これまたブルーライト自体が悪さしている訳ではありません。
ブルーライトで失明するという大ウソ研究
少し前ですが、ブルーライトで失明した!という研究が少し話題になりました。
Toledo大学の研究ですね。
突っ込みどころが多すぎる研究となっています。
「ブルーライトはレチナールの毒性を引き起こして目の細胞を殺す」
こう研究では言っていますが、レチナールはブルーライトに関係なく細胞によっては元々毒性があります。
生きた網膜の細胞は、そういった毒性から身を守るタンパク質を持っています。
しかもこの実験は普通に暮らしていては絶対に起こりえない条件で行われています。
・使われた細胞は網膜の細胞から由来した細胞ではない
・自然に起こりえない量のブルーライトを浴びせられている
・レチナールで影響を受けた細胞は、生きた人ではそもそもレチナールに触れることはない
ということで、アメリカ眼科学会がこの研究は大ウソだよーと表明をしています。
ブルーライトカットレンズに変えるより大事なこと
寝る前のブルーライトは睡眠リズムを乱し得るのでカットすべき。
このことについては根拠があります。
それ以外については一切まともな根拠はありませんので、気にする必要はないでしょう。
目の疲れを減らすためにオススメする方法はこれです。
Association of Optometristsという眼科医の団体がオススメする方法を紹介します。
・寝る1時間前にはデジタル機器は使わない
・デジタル機器のナイトモードを使ってみる
・20/20/20ルールをやってみよう
20/20/20ルールとは、"20分ごとに、20フィート(6mくらい)以上離れたところを20秒見ましょう"というものです。
...めっちゃフツー。
結局は昔からよく言われていることに収束してしまいましたね。
まとめ
という訳で私はブルーライトカットのオプションは付けませんでした。
日中もつけることがありますし、青く反射するの嫌ですし。
そもそも効果のないものにお金は払いたくありませんよね。
ブルーライトカットは、寝る直前専用機にするなら多少は意味あるかもしれない。
そのくらいの位置付けです。
寝る前に携帯やパソコン触らない、こまめに他のことをするのがレンズよりむしろ大切ですよということでした。
それでは。